中村塗工さんによるマークニス貼りの話。
ニスは、ヨンワリラッカーニスと呼んでいたから、おそらくニスを4割、あとはシンナーで割って薄めたやつを使った。
そのニスをマークに塗って、フレームに貼り、紙を剥がす。
乾くまでクリアを塗れないから、天日で乾かした。
急ぐときは釜に入れたり。
マークの周囲にニスが残るので、石油で落とした。
当時のマークも熱で傷んだりはしなかった。
ニス貼りのマークは薄かったので好まれた。
クリアの前に、メタリックカラーにはやらなかったけど、ベタ色にはペーパーを当てて平滑にした。紙やすりは400番とか、180番ならざらざらを落として使った。そうして小さなゴミなどを落とし、クリアを塗った。
セキネのフレームを1日に50本も100本もやっていたときは、5、6人も人を使って、下塗りからパテ、漆など何工程もかけて、黒はハケで塗った。黒はゴミが目立つので工場を閉め切って、暑いのでみんな裸で作業した。それで300円だった。あんパンが3円の時代だ。
剥離は工場の前で何本かのフレームにボロをかぶせて燃やした。