記憶

半分寝ているような混濁した意識の中で、あるいは夢の中でかもしれない。彼女の苗字だけをなぜか忘れ、名前だけ覚えていた。
「ま、意識混濁してるんだからそのまま忘れちゃえ」ともう一人の自分が言う。
でもなんで名前だけしっかり覚えているんだろうな、名前で呼んだことさえないのに。

起きたら、苗字も覚えてた。なぁんだ。